このアルバムは、今までなんらかの大きな会社の中にいて、音楽を作るのが当たり前、お金をかけて当たり前、という環境とは違う場所で作ったアルバムです。
 「アルバムを作る」という、プロになってから当たり前にやってきたことを、改めて「どういうことなのか」とか、「音楽をやりたいのか、それを人に聴いてもらいたいのか」というような、いちばん最初から、とてもナチュラルにやってきたことを、また改めて問いただすことがとても必要になりました。
 全部の責任を自分で持ち、本当の意味でプロデュースしたのかもしれません。
レコーディングやライブのスケジュールから、予算の事、交渉、まわりへのケア。それと平行してクリエイティブな頭を持ち続ける事は、とても大変なことでした。

 本当にやりたいのか?
 このことを何度も何度も自分の中で問いただしながら。

 でもね、やっぱりわたし、音楽が好きだし、人に聴いてもらいたい。
「あの曲が好きだったよ」なんて言われたい。
 まるで高校生のときの、バンドを始めたばかりのような単純な思いが、わたしを前へ前へと押し出してくれました。
 何をやるにしても、熱意なんだなーと改めて思います。そして、色んな形で手を差し伸べてくれた人たち。感謝しても感謝しきれない、そんな思いがこのアルバムにいっぱい詰まってます。

 この人たちがいなくてはアルバムが成立しなかった。
 快くタッグを組んでくれたATOO 内山秀俊氏。
 渋谷のカフェでレコード作りのノウハウから制作、アレンジまで、根気強く話し合ってくれた佐藤ワタルくん、惜しみなく力を発揮してくれた隅倉くん、末藤くん。
 自主制作の苦労を分かち合ってくれたTHE GROOVERS藤井一彦氏。
 スタッフ不在の時期から心の支えになってくれて、一緒に泣いたり笑ったりしながら、サイト制作も全面的に引き受けてくれた水犬ちゃん。
 公私ともに大きな力で受け止めてくれている家族、榊英雄。

 まだまだたくさんの方々に、お礼の言葉は尽きません。ありがとう。

 そして、そして、永い永い間、新しい歌を心待ちにしてくれていたすべてのみなさんへ。ありったけの愛をこめて。

 榊いずみ。名前が変わりました。
 表向きのことだけではなく、2006年はわたしにとって大きな変化の年だったように思います。そして2007年へ、もっと未来へ流れは今も続いています。


感謝とともに、榊いずみ。