4. つまらない世界

 この曲、映画「棚の隅」の主題歌になりました。縁あって、主題歌を、という話をいただき、実は「足跡」か「Family Tree」でいこうと思っていたのですが、実際ラッシュを見せてもらったら、最後はもう少しやわらかな、やさしい歌がいいなぁ、例えば月がぽっかりと出ているような・・・とびびっときて、その後すぐに作りました。エンドロールを見ている間に、もう何か降りてきた。インスピレーションとはおもしろいものです。
 なんの迷いもなく、するりと生まれた感触です。レコーディングは、星虹。窓を開けていたので、虫の声も一緒にレコード。

 あの服が欲しい、あの車が欲しい、あの国に行きたい、もっと素敵な恋人が欲しい。この手の中にないもののほうが多いに決まってる。みんな分かっているはずなのに、やっぱり今ここにないものばかり追いかけようとする。色んな情報にまみれてぐちゃぐちゃ。空を見れば、毎日同じように、月がまたのぼる。誰の頭上にも、分け隔てなく。自分の回りを見据えて、ここから生まれる、変わらない何かに目を向けることが、幸せへの第一歩のような気がします。「棚の隅」の不器用な主人公たちに、物足りない思いを抱えたすべての人たちに贈ります。

「棚の隅」公式サイト